CG制作にデッサン力は必要か・・・・
人によって意見が分かれるところでしょう。

聞くところによると、CGを教える大学や専門学校でも
先生によってはデッサン力は必要ないと考えている方が結構いらっしゃるようですね。

ひとくちにCG制作と言っても、その内容や分野は多岐に渡るので
たとえば決められた数値や色を入力するだけ、CADのデータを整理するだけといったオペレーター的な仕事をこなすだけなら
確かにデッサン力は必要ないと言えます。

しかしCG制作の醍醐味はそんなところにあるわけではないことは
読者の方もよくご存じでしょう。
これから先の未来、さらにテクノロジーが進んでCGの制作環境も
大きく変化していくのでしょうが

総合的に考えて、少なくとも現時点ではデッサン力は必要である

というのが私の持論です。

私はデッサン力不要論者の意見をちゃんと聞いたことがないので
その真意をうかがい知ることはできないのですが
もしその根拠として、CGは鉛筆や筆・絵の具を使って描くわけではないから
デッサン力は必要でない、と考えるのであれば
それはあまりにも短絡的だと言わざるを得ません。

もしあなたのCGの先生が上記のような考えの持ち主だとしたら
その先生のことは信用しないほうがよいでしょう。

普通の人はデッサンと言うと
人物や石膏像・静物などを鉛筆や木炭でリアルに描いた絵
を思い浮かべるでしょう。そして恐らく多くの人は
「デッサン力=本物そっくりに絵を描く力」
だと考えていると思います。

もちろんこれは間違いではありませんが
「デッサン力」という言葉が持つ意味の一部を
表面的に捉えているにすぎません。

デッサンを重視しない人の多くは、デッサン力のことを

”鉛筆などアナログの道具を使って絵を描く技術”

というふうに、職人的な技術の一種として捉えているように思われます。

私は美術大学のデザイン科を出ていますが、入試ではデッサンの実技試験があります。

同じ美術大学でも、何をデッサンさせるかは大学や学科によって異なります。
デザイン科のデッサン実技は、3〜6時間という決められた時間内で
石膏像や静物を鉛筆で画用紙に描写させるところが多いようです。

合格したデザイン科の学生は、大学卒業後はほとんどがデザイナーとして企業に就職します。

画家とは違って、デザイナーは仕事でリアルな絵を描くことはほとんどありません。
むしろ面倒くさい絵を描く仕事は専門のイラストレーターに任すことがほとんどです。

社会に出て、リアルでうまい絵を描くことはあまりないのにも関わらず
デザイン科の入試にはなぜデッサンの試験があるのでしょうか?

実はこの部分に
CG制作にデッサン力は必要かという問題の答えが隠されています。

(続く)

第2回コラム
未来のクロマキー合成(るんぱ先生)